生活の記

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月曜日

 

今日はいつもだったらご飯を作り終え、お風呂に入る頃だが

同居人のお風呂が思った以上にゆっくりで

いつもより入るまでに時間がかかりそうだ。

 

その間に帰り急ぎすぎておろしてこれなかった給料でもおろしにいくか。

今月から一人暮らしを始めた時のことを意識して、自分が自由に使えるお金を少なく

できるだけ一人暮らしをするときと同じようにしてみようと思う。

 

できるだけ自分の時間が潰れないよう、小走りで家への道のりを急いでいる時に

ふと

「人の思い出に留まっている私ってどんな私なんだろう」

と思った。

そもそも誰かの限られた思い出の中に存在があること自体

すごいことなのだが、必ずしもいい姿ばかりではないだろう。

自分にとっては消したい姿でも、人の思い出からそう消せるものでもない。

 

もやもやしたわけでも、何か特定のことを思ったわけでもないが

思い出という、頭の中の引き出しに眠っている情景・憧憬に

他者である自分がいるかもしれない、と考えたら

少しふふんと、自分は自分の中だけの存在ではないのかと

思ったりした。

 

ごはんまで時間はある。近くのATMに給料を下ろしに行こう。

急いで、いや夕ご飯の煙を浴びた体を揺らしながらゆっくり坂を下って行こう。