生活の記

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土曜日・日曜日

 

土曜日

恋人と昭和記念公園へ紅葉を見に行った。

待ち合わせの前に美容院でカットとカラーをしてもらった。だいぶウルフカットに近付いたのではないだろうか。

昨日の情けない気持ちを消化できずにいたため、どのような顔で恋人と会えばいいか正直わからなかったが、美容院に行ったことをすぐにわかってくれて、顔が綻んだ。

恋人の最寄り駅にあるパン屋さんで一緒に食べるパンを買ってくれた。

立川駅に着いてから、サンドイッチ屋さんを見つけた。シャインマスカットとみかんのフルーツサンドを買ってもらった。買ってもらってばかり。

 

お散歩にはもってこいの天気。のんびりパンを食べた。(バインミーのおいしさにびっくりした)小さい子が銀杏の葉を集めていたり、あちこちで写真撮影していたり、あったかかった。

園内を当てもなく歩く。昨日の私の気持ちを話した。毎月記念日に渡す手紙も暗くなってしまった。「佐伯と毎週過ごしたり、電話するのが負担だったら言ってるよ。そもそも佐伯との予定の方が先だから、佐伯こそ嫌だったら言って。」と恋人は言った。救われたというには陳腐すぎる。ただ私の気持ちを受け入れた上で、自分の気持ちを話してくれる人で本当に良かったと思った。

恋人は夜に予定があったため、公園からの帰路で別れた。

 

日曜日

 

家に私以外誰もいない日。恋人を誘ってみた。

毎週家まで送ってくれるが、家に入ったことはないため、同居人たちには内緒でこっそり招待。

特別綺麗でも広くもないけれど、私が毎日過ごす空間に恋人がいる状況が妙に嬉しかった。

夕方一緒に家を出て、最寄り駅のホームで別れた。

私はスピッツのファンクラブ会員限定ライブへ。

3年ぶりのスピッツのライブ。初めての会場。

会場に向かう皆がスピッツを好きな人たちなんだと思ったら、それだけで涙目になってしまった。今回は1人で参加したが、周りもそうである方が多く、居心地が良かった。開演までの30分、いつもより生き急いでいる鼓動を聞きながらぼーっとして過ごした。ぼーっと時間の流れに身を任せたのはいつぶりだろうか。

2時間半本当にあっという間で、感情を顔に目いっぱい表して、たくさん身振り手振りして楽しさを感じた。スピッツを好きになって早10年が経つが、昨日のライブでは各曲で弱い自分を支えてくれる部分がより鮮明に耳に届き、涙した。社会人になり様々経験した証なのかもしれない。縋りつく部分を求めてしまっているのかもしれない。

スピッツは頑張れとメガホンを持って応援するのではなく、弱くて小さくなってしまったときほどふんわり近くで寄り添ってくれる存在だ。彼らの奏でる音楽と彼らの関係性、全てが愛おしくて仕方がない。

これからも声が出せなくなってしまったときほど、支えにさせてください。

スピッツという大事な存在と一緒の空間で過ごすことのできる時代に生まれて本当に良かった。言葉には表せない。また会いたいね。会おうね。